この祭りの主役を待つお役の方々は、こうして裃を着用されていました。
例えば、僧侶の袈裟などと違って、こちらの方々はいつもこの衣装を身に纏っておられるわけではない…ですよね。
でも、全然衣装にいられてしまっていない。来るべき日に、来るべき格好で祭りにのぞんでいるのがよくわかります。
どこかの祭りでも、イベントでも、衣装に着られてしまっているような娯楽的遊戯的パターンは多くあります。
でも、こちらの方々は、そういう意味では普段は他の職業をしている素人さんであるのにもかかわらず、
この祭りの中では、自分たちの祭仕事を全うして…その役を担っている。
だから、衣装ひとつとっても、着られていない。この衣装・装束をちゃんと着ておられる。
裃など、普通の人が着たら、日光江戸村みたいになってしまいますよね。
初舞台の女優さんなどもそうです。衣装に着られてしまっている姿を時々みかけます。
自分の生きざま、信仰心、真摯さ。
そういうことが、表出されておられるんですね。
私は、ギラギラと照りつく太陽の下で、そんなことを考えたりしながら、長刀鉾を待っていたのでした。
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